このたび代表NOTEとして、日々思うことをホームページにも記すことにいたしました。
製造業の現場に身を置いて3年。ようやく少し、息がつけるようになった気がしています。
もともと異業種出身である私が、父の跡を継ぎ、HARICOMという産業機械メーカーを引き継ぐというのは、無謀とも言える挑戦でした。
想像以上に過酷で、正直、今でも「よくここまで来られた」と胸が熱くなります。
しかし、その奇跡のような過程のなかで、会社の技術を受け継いでくれた先鋭社員の存在がありました。私のような人間がバトンを受け取れたのは、まさに技術力としての彼らの継承によるものです。感謝してもしきれません。
私は経営者として、自らが立ち上げたIT企業の株式会社ブルアーや、米国法人DUBON INC.での経験をベースに、ハリコムにも新しい視点と手法を持ち込みました。数字や組織の再編だけでなく「技術の本質」と「人が関わる意義」を問い直す3年間だったと感じています。
この3年間、特に力を入れてきたのが、ハリコム製品の“OS的進化”でした。
いわゆるデジタル化ではありますが、それは単なる効率化ではなく「工場全体の能力を底上げする」という意志をもった取り組みです。
私たちが訪れる製造現場では、高温・低温・危険を伴う環境の中でも、黙々と工程を支えている人の姿があります。
本来、もっと別の形で補えるはずの場所に、人の力が今も必要とされている。
その事実が、今の日本のものづくりを物語っていると感じました。
そんな現実を目の当たりにし、強く思ったのです。
これからの現場には、もっとロボティクスやセンシング、AIの技術が必要なのだと。
私たちの製品がその一端を担うことができれば、きっと未来はもっと健やかで持続可能なものになる——。
そう信じています。
創業から受け継いだ技術に、今の時代のテクノロジーと私自身の感性を重ねながら、これからの10年、ハリコムをさらに前に進めていくつもりです。
父が築いた礎に敬意を込めて。そして、産業と人の未来に向けて。
ハリコム株式会社
代表取締役 田中菜穂子
Naoko Tanaka
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